「興福寺国宝特別公開2017 阿修羅 −天平乾漆群像展−(興福寺)」観てきました(ネタバレあり)

当日の日記にも書いたのですが、年末のまとめのために改めて書いておきます。

わたしが行ったのは5月20の土曜日、快晴の日でした。

この展覧会は、興福寺国宝館の耐震工事のための休館により、企画されたようです。

当日の日記にも書きましたが、あくまでも臨時ですので、国宝館が出来てしまうともう二度と実現しない取り合わせでしょう。

天平時代から、奈良時代平安時代を経て鎌倉時代の仏(ブツと読ませます)まで。脱活乾漆の阿修羅や十大弟子。木彫の諸仏。

世間的には、「ご本尊」は阿修羅ということになろうかと思います。わたしももちろん楽しんだのですが、わたしとしては、龍燈鬼、天燈鬼、かなぁ。なにせこの後、奈良国立博物館に行き、快慶展を見る予定でしたので、口が...ではなく目がすっかり「慶派」になっていましたので。ある意味現代的ともいえる、何とも言えないユーモアがあります。

何よりも等身が普通の仏よりマンガチック。普通が5等身、6等身だとしたら、4等身ぐらいか。そして表情。頭の上に載せた灯籠を見るようにグッと上を向いている龍燈鬼。大きな鼻と、付け足したような(というか実際に銅板かなにかで付け足しているらしい)ギザギザの眉毛。灯籠を担いで、手に力を入れている天燈鬼。彫った仏師もきっと、ノリノリで作ってますよね、これ。自由さを感じます。

この2体、秋には「運慶展」の方に出張するそうなので後期の開催時には観られないそうで。お堂で観られた今回はとてもラッキーだったと言えましょう。

それと、金剛力士像。筋肉の表現とか、力の入れ具合がもともと好きでしたが、大きさ感が等身大なところが良い。改めて気に入りましたね。

お堂に対する大きさ感がリアルに感じられたいい催しかと思います。本当に信心している人は受け入れられない配置かと思いますが、そこは鷹揚に見ていただきたい。

博物館の360(サンロクマル)も良いですが、お堂で、しかもコンプリート感(あくまでもフォーマットには全然則っていないのでリアルなコンプリートではないのですが)があった展覧会でした。

国宝館が復活しても、時々こういう展示をやってもらいたいですね。仏を入れ替えながら、さまざまなパターンで展示してみる...いいじゃないですか!うん、やっぱり既成のフォーマットがいい、とかなるかも知れませんけれども。

そんなことを感じた展覧会でした。